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2005年 11月 10日
SUDOKUという日本のパズルが、現在イギリスで大流行しています。ロンドンの地下鉄に乗っていると、1両にかならず3,4人はSUDOKUのパズルに取り組んでいる・・・、そんな感じです。
このSUDOKU、漢字で書くと、「数独」。 (以下、オンライン百科事典「ウィキペディア」の説明より。) この数独という呼称は、パズル雑誌『パズル通信ニコリ』で使用される名称で、「数字は独身に限る」の略である。 (中略) 1988年4月1日、ニコリから単行本「ペンシルパズル本6」が刊行された際、長すぎるという事で「数字は独身に限る」の略称として「数独」という名称が登場した。しかし、以後数年間「数字は独身に限る」の方が引き続き正式名称であったが、1992年3月1日発行の「パズル通信ニコリ37号 はる分」より、「数独」の方が正式名称となった。 ルール あいているマスに 1-9 までのどれかの数字を入れる。 縦・横の各列及び、太線で囲まれた3×3のブロックに同じ数字が入ってはいけない。 解法 一つのマスに注目して、そのマスに入る数字を限定する。 一つの列(または3×3の領域)に注目して、特定の数字が入るマスを探す。 基本的な問題はこの2つで解くことが可能である。 ****** それにしても、雑誌のネーミングといい、パズルの名称といい、独特の世界観がありますねぇ・・・。(ちょっと寒いぞ・・・) さて、このSUDOKU、イギリスでの人気のほどはというと、今年の7月末の時点で、ベストセラーとなったノンフィクション本10冊のうちの6冊が、SUDOKU関連だったとか。また、新聞社などがスポンサーとなり、全国各地でSUDOKU大会が開かれています。 ある出版社の編集者によると、その出版社が発行しているSUDOKU雑誌4誌合わせて、なんと月に60万部も売れているんだそうです。SUDOKUが流行するまでに最も売れていた同社の雑誌の売り上げ部数の2倍以上に相当します。日本の雑誌でいうと、会社四季報、オレンジページ、女性セブンなどに匹敵。す・・・すごい!!! このSUDOKUをイギリスに初めて紹介したのは、ウェイン・グールドさんという人。現在は退職しましたが、香港で最高裁判所の裁判官をしていたといいます。 もともとパズルフリークだったウェインさん、日本でたまたま立ち寄った書店で数独の本を見つけて興味を惹かれ購入します。そして、日本語が分からないながらも、問題を巻末の解答と照らし合わせながら解法を分析。このパズルの魅力に取り付かれ、「どうしてこんな凄いパズルが世界に普及していないんだ?!」と疑問に思います。 さて、ここからが、このウェインさんのすごいところ。彼は数年間かけてSUDOKUの問題を作るソフトウェアを完成させました。そして、タイムズ紙にアポなしで訪れ、タイムズ紙のパズルのページにSUDOKUの掲載された見本を自作したものを持ち込んで、編集者に売り込んだのです。このタイムズ紙にイギリスで初めてのSUDOKUが掲載されたのは2004年の11月。それ以来、読者からの問合せが殺到し、Independentや、Guardianなど、そのほかの大手全国紙も後に続きました。 SUDOKUの流行はイギリスだけにとどまらず、現在オーストラリア、ドイツ、イタリアでも人気。アメリカでもファンを着実に増やしつつあります。ウェインさんは、現在33カ国100紙にSUDOKUを提供しているといいます。しかも無料で。 でも、何故に無料?! ・・・実はウェインさんの狙いは、SUDOKUソフトを販売することなのです。できるだけ多くの人にSUDOKUを知ってもらいたいから、あえて無料で提供しているとのこと。(加入者獲得のために携帯電話機を無料で配布するっていうのと同じですね。)ウェインさんがSUDOKUソフトの販売で一体いくら収入を得ているのか、明らかにされてはいませんが、「良い小遣い」になっているといいます。(いいなぁ~) 私の勝手な想像ですが、日本でパズルマニアというと、いかにも男性というイメージがありますね。でも、イギリスでは、パズル(例えばクロスワードなど)は、従来「主婦がやるもの」という認識のようです。それが、このSUDOKUの登場によって、シティ(ロンドンの金融街)のエリートビジネスマンもパズル人口に加わりました。確かに、ヨーロッパ便のビジネスクラスに乗ると、隣の男性は、ラップトップで仕事をしていない人は、iPodで音楽を聴きながら、みんなSUDOKUをやっています。 このSUDOKUの人気の秘密は、やはり、クロスワードなどと違って、言語の壁がないということ。そして、数字のパズルであるにもかかわらず、計算能力を必要としないこと。 SUDOKUのお陰で売り上げを倍増させたパズル雑誌は、これを一過性の流行に終わらせないようにしながら、SUDOKUをきっかけにパズルを始めた人たちに、他にも魅力あるパズルが沢山あることを知ってもらい、パズル人口の裾野を広げたいと考えています。 それにしても、日本のパズルがイギリスでこんなにブレイクするとは・・・ でも、私はそれよりなにより、ウェインさんの取った行動に感銘を受けました。私なら、たとえ数独の可能性に目をつけたとしても、せいぜい数独の本を新聞社に持ち込んで紹介するところで終わっているでしょう。ソフトを開発したところが、この人のすごいところ。これで「金のなる木」になったのですから。(金のなる木、英語ではちなみにcash cowといいます。飼っていればどんどん乳を出して継続的にお金を生み出してくれるというニュアンスですね。)いや~、それにしても、やはり頭の良い人は違いますね・・・。 数独について、もっと詳しく知りたい方はこちら。
by babelbabe
| 2005-11-10 09:49
| 社会・時事
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