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2006年 03月 03日
これから流行し、そして日本語としてやがて定着するであろう、と私が密かに思っている英単語があります。
それは"busking"(バスキング)。 公共の場で、主にチップを稼ぐことを目的に、歌や楽器の演奏などの芸をするという意味です。また、バスキングを行うミュージシャンその他を「バスカー」といいます。 ロンドンでは、地下鉄でのバスキングがかつて法律で禁止されていました。それでも地下鉄関係者や警察の目を盗んでパフォーマンスを行う違法バスカーが、通行人に不快な思いをさせたり、チップを強要するなどして、トラブルを起こしていたといいます。 その解決策として、いっそバスキングを合法化し、オーディションに合格した者だけに地下鉄構内で演奏するためのライセンスを発行してしまおう、ということで、乗客へのアンケートや、一定期間の試験導入の末、2003年5月に条例が改正され、ビール会社カーリング社協賛のプロジェクトのもと、official busker(公認バスカー)が誕生しました。 この制度が発足して以来、バスカー関連のトラブルがかなり減ったそうです。(ちょっと、オランダのマリファナや娼婦に通じるものがあるかな?!ちなみに、私個人としてはこれら両方とも悪いことだとは思っておりません・・・。) 地下鉄の主な駅のあちこちに、カーリングのロゴの入った”busking pitch"と呼ばれる半円形のスペースが設けられており(12の駅に合計25箇所)、ミュージシャン達はそこで毎週3時間単位のパフォーマンスをローテーションで数回行います。現在、約300近くのバスカーが公認バスカーとして登録されているそうです。私の知っているだけでも、アコースティック・ギターやキーボードから、アフリカの打楽器、ハープまで、楽器も多彩。曲もCold Play、エリック・クラプトン、ボブ・マーリーなどのアーチストのカバーや、オリジナルと思われるものまで、いろいろです。オーディションで選考されているだけあって、皆ある一定のレベルはクリアされていると思います。 先日は、仕事で疲れ果てて通路を歩いていたら、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」のイントロがあまりに美しく、思わず青春時代を思い出し(・・・この曲が流行っていた頃に青春時代を迎えていたわけではありません。念のため。)ちょっぴり涙目。おかげで疲れも吹っ飛び、思わずチップを弾んでしまいました。音楽の力の偉大さを改めて実感。 バスカー達の収入はもっぱら通行人のチップに依存しているため、「気に入ったら積極的にチップを渡してバスカーを支援してください」と呼びかけるポスターもあります。 ![]() なぜoneがfor the moneyで、twoがfor the showなのか、私は知りませんが、多分ゴロが良いからというだけだと思います。(ご存知の方いたら連絡ください。)いずれにせよ、その言い回しのmoneyとshowと引っ掛けて、「バスカーの生計(money)のために、そして、バスカーにパフォーマンスの場を提供するこの制度(show)を支えるために、ご協力のほど、よろしくお願いします」という意味になっています。そして、エルビスの足元・・・。何と深いポスターなんだ・・・(笑)。 さて、話は変わりますが、・・・何と!この公認バスカーの制度、東京にもやってくるかもしれません。3月2日のMETROという地下鉄においてある無料の新聞(無料といっても、普通の新聞並みに中身は結構充実しています。)によると、東京メトロの代表者がロンドン地下鉄(LU=London Underground)を訪問し、東京にも同様の制度を導入すべく、ヒアリングや調査を行ったといいます。 ロンドン地下鉄のバスキング・スキーム担当者は、「東京メトロが、バスキング制度導入のたたき台として当組織のスキームを選んでくれたことを誇りに思う」とコメントしています。 そのときに通訳使ったのかどうか分かりませんが、やりたかったなァ・・・ ちなみに、公認バスカーに、なんと日本人のミュージシャンもいます。このDOMONさんという方は、イギリスで発行されているフリーペーパー「UKジャック」に「魂のバスキング」というタイトルで連載のコラムを持っていらっしゃいますが、メルマガも発行しているようなので、良かったらどうぞ。バックナンバーの閲覧や配信の申し込みはこちら。 バスキングと同じような意味の日本語(カタカナ語)に、「ストリート・パフォーマンス」がありますが、場所が地下鉄構内となると、必ずしも「ストリート」ではありませんから、バスキングの正確な対訳は今のところ存在しないのではないでしょうか。 「バスキング」、「バスカー」という響きの日本語としてのカッコよさも含め、メトロのバスキング制度導入とともに、この言葉は絶対定着する!と自信を持って断言しちゃいます。 (前にもハムの話で書きましたが、もっと別のことで自信を持ちたいものですが・・・) ちなみに、2006年3月1日現在の時点で、グーグルで「バスキング」と検索しても、例のDOMONさんのメルマガ以外には何も出てきません。「お風呂の王様」という意味の商品名や、basking(日向ぼっこ)という意味のもののみ。さて、今後どうなっていくでしょう?! by babelbabe | 2006-03-03 08:11 | 社会・時事
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