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2005年 08月 22日
皆さんはトイレで本を読みますか?
我が家では、トイレにマガジンラックが置いてあって、家人も客人も有意義に時間をつぶせるようになっております。 ただし、置く本にはこだわってまして、トイレのマガジンラックに置くにふさわしい本を、私は以下のように定義しています。(・・・って大げさ?!) 1)5分くらいで読みきれる記事で構成されている。 2)斜め読みできるような軽めの文章。 3)ストーリー性のあるものは、感情移入できないのでNG。 (「出している」途中でロマンチックなキスシーンが出てきても困る。) 4)「時間を有効に使った!」という満足感が得られるようなもの。 5)途中で中断しても未練のないようなもの。 こういう本を何冊か選んでストックしておいて、その日の気分に合ったものを手に取っています。 ・・・というわけで、今日は、そんな本を3冊厳選して(?!)ご紹介します。 第3位 ポケット版「ことわざ」新辞典 通訳の現場で一番困ることの一つがことわざです。もちろん、ぴったりくる別のことわざを引用できればベストですが、それができない場合は、元の意味さえ分かっていれば説明すればよいことです。ただ、元の意味すら分からない場合、しかも同時通訳でスピーカーに確認できない場合、本当に困ってしまいます。 このことわざ辞典は、日本語のことわざの解説だけでなく該当する英語のことわざも載っているので重宝しています。以前は、電車通勤のときに持ち歩いていたのですが、一度に10個も20個も読んだって頭に入らないことが分かってやめてしまいました。一回につき1,2個のことわざを・・・というのが私にはちょうど良いペースのようです。 「傍目八目」が"Lookers-on see most of the game."だとか、"Every cloud has a silver lining."が「人間万事塞翁が馬」だとか、なかなか面白い発見があります。 第2位 Passing Time in the Loo 名前の通り、トイレで読むために作られた本。ホーソンの「緋文字」から最近のビジネス本に至るまで色々なジャンルにわたる本(約120冊)の概要、科学者、哲学者、思想家などのバイオグラフィー、サッカー、ホッケーその他各種スポーツのルール、などなど、さまざまな雑学が2~3ページにまとめられています。 ただ、難を言えば、一つ一つのエントリーが長すぎる。相当長丁場(笑)のときでないと読みきれません。もしかすると、トイレよりベッドサイドに置いておいて寝る前に読んだほうがいいのかな、と思ったりもする今日この頃。 第1位 村上龍著 13歳のハローワーク 我が家のトイレのラインナップに最近加わったニューフェース。先日、日本に帰省したときに買ってきました。高校・大学を出たら会社に入るのが当たり前だと思っている子供たちに、世の中にはこんなに沢山の職業があるんだよ、ということを紹介している本なのですが、大人が読んでも大変面白い。 もちろん、この本は「会社に入る」という人生を否定しているわけではありません。新聞記者になるために新聞社に入ったり、インテリア・コーディネーターとして家具メーカーに入ったりすることもあるわけですから。ただ、「会社に入って会社員になる」ことを最終目標とせず、自分のやりたい仕事をするための手段と考えるべきだ、と勧めています。 また、18歳で起業するのは難しいが、将来自分で事業を起こすためにその業界のことを勉強するという目的で会社に入るのも一つのやり方だ、とも書いています。 保健士、ピアノ調律士、スポーツエージェント、刺青師、現像技師、装丁家、マーシャラー(着陸した飛行機の誘導係)などなど、この世に存在するありとあらゆる職業について分かりやすく解説しています。 ローディーが「運転免許証は不可欠」だとか、客室乗務員が「腰痛などの職業病になることも多い」とか、なかなか現実的です。 もちろん、「通訳」も載っています。内容は、おおむね当たっているんじゃないでしょうか。 ただ、「ライセンスは必要ないが、・・・資格を取っておくと有利だろう」という部分、どうなんでしょう?!私は通訳技能検定などの資格を持っていませんが、特に困った思いは一度もしたことがありません。むしろ、この業界は経験重視で、いくら立派な資格があっても職歴が浅いとか、大した仕事をしてないとなると、あまり信用されないような気がします。逆に、資格がなくても錚々たる職歴さえあれば、結構すんなり仕事が来るような・・・。でも、今13歳の人が10年後にこの業界に食い込んでいくには資格もないよりあったほうがいいのかな・・・。 それ以外にもう一つ注文をつけるなら、通訳技術は語学力とは別物で、それはたいてい訓練によって身につけられるんだ・・・ってところも入れて欲しかったかな・・・。 でも、十分現実的に書いてあるし、遠い将来通訳者になりたいと思っている13歳に対しては十分過ぎるくらいだろう、と思いました。 でも、この本で凄いと思ったのはやっぱり「作家」の項ですね。さすが、ご本人の職業だけあって、うーん、凄い。・・・読んでて鳥肌が立ってきます。 "13歳から作家になりたいと相談を受けたら、「作家は人に残された最後の職業で、本当になろうと思えばいつでもなれるので、とりあえず今はほかの事に目をむけたほうがいいですよ」とアドバイスすべきだろう。・・・(中略)・・・作家の条件とはただ一つ、伝える必要と価値のある情報を持っているかどうかだ。・・・(中略)・・・もう残された生き方は作家しかない、そう思ったときに作家になればいい。" また、巻末の「明日のための予習 13歳が20歳になるころには」というタイトルで、特集が組まれているのですが、これも大変興味深いです。 「将来SEという職業はなくなるかもしれない。それが分かっていながらSEをどんどん育てている。これが、昔林業の国家プロジェクトとして杉の木を沢山植えたのと似ている」とか、「『地球に優しく』というが、地球は人類から優しくしてもらわなくても存続していく。環境に配慮した製品というのは、『地球に優しい』のではなく『人類の存続に都合がいい』ものなのである。」なんてところは、非常に斬新だけれども「なるほど」と思わされました。 私も13歳のときにこの本に出会っていたらよかったな。・・・っていうより、今13歳に戻りたいよー!!
by babelbabe
| 2005-08-22 06:02
| 本
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