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2005年 10月 19日
先週の金曜日(14日)だったと思いますが、ピアース・ブロスナンに代わる6代目のジェームズ・ボンドが発表されました。ダニエル・クレイグという俳優さんです。(写真参照)
発表の前日、運転中に聴いたラジオで、「シリーズ始まって以来の金髪のボンド」と聞いていたので、私はポール・ベタニーあたりを想像していたのですが、見事外れてしまいました。これ以外では、有名どころではユアン・マクレガー、ジュード・ロー、クライブ・オーエンなどが候補として挙がっており、イギリスではbookmakerと呼ばれる「賭屋」で、次のボンドをめぐって予想ギャンブルが行われたりもしていました。(聞くところによると、bookmakerでは、サッカーなどのスポーツの勝敗だけでなく、ありとあらゆることに対して賭けが行われているらしいです。) ダニエル・クレイグについて私が記憶に残っているのは、映画「シルヴィア」でグゥイネス・パルトローの相手役だったことくらいです。また、私はまだ観ていないのですが、「ロード・トゥー・パーディション」や「トゥーム・レイダー」、「レイヤー・ケイク」にも出ているようです。(「まだ」とは言うものの、トゥーム・レイダーは多分一生観ないような気もするが・・・。) 以前GQという雑誌のグゥイネス・パルトローのインタビューで読んだのですが、この人はトム・クルーズばりに背が低いらしく、ただでさえ長身の彼女が見下ろさないように、立っているシーンは彼が台に乗って足元を映さないようにしたり、どちらかが必ず椅子に座っているようにしたり、・・・と結構苦労したといいます。ボンドガールもニコール・キッドマンみたいに背の高い人がなってしまうと、撮影現場の苦労は絶えないかも・・・。(・・・って余計なお世話ですが。) 一般的には、ダニエル・クレイグで「がっかり」という反応が多いようなのですが、私はそうは思いません。 個人的には、ボンドはやっぱり残酷な男を演じられる俳優でないと勤まらないと思うのです。シルヴィア」での役柄のイメージがあるからかもしれませんが、そんな意味で、ダニエル・クレイグはきっとはまり役になると期待しています。ピアース・ブロスナンのボンドも悪くはなかった。ただ、本来のボンドの「洗練」や「セクシー」、「女たらし」、時折見せる「茶目っ気」・・・などの要素は満たしていたけれど、「動物的な獰猛さ」や、敵や女性に対する「残酷さ」みたいな部分はちょっと欠けていたような気がするのです。まぁ、それも90年代・ミレニアム世代のボンド像ということなのかもしれませんけど。 その辺は、初代にして最高のボンドといわれるショーン・コネリーは上手く表現していたような気がします。ただ、これは俳優の力量やキャラクターだけではなく、脚本にも大きく拠るものがあるとは思います。 なにせ、綺麗な女性が出てきてボンドとエッチをして、5分後には殺されて、そのシーンは実はストーリーとは全然関係なかったり、Pussy Galoreなんて名前のヒロインが出てきたり。(スラングとしてのpussyが女性の陰部を意味することは皆さんご存知だと思います。galoreは「いっぱい」という意味です。日本語でいうと、正直「あいだ・もも」くらいの感じですなぁ・・・。浜美恵の役名なんて、Kissy Suzukiっすよ・・・。)プールサイドのボンドが女の子といちゃいちゃした挙句、仕事の話になったら「難しい話するからいい子はあっち行ってなさい」とビキニ姿の女性のお尻をパーンと叩く・・・っていうようなシーンもあったような気が。そんな映画を21世紀の世の中で作った日には社会的にちょっと問題アリでしょう。 ちなみに、私が007のオリジナルと考えるのは、ショーン・コネリーの出演作ではなく、イアン・フレミングが書いた小説のほうです。イアン・フレミングは、ロンドンはメイフェアの銀行家の息子として生まれ、イートン校に通い、(ハリー王子も訓練を受けている)サンドハースト陸軍士官学校で訓練を受けた典型的良家の子息であります。ロイターのジャーナリストを経験後、第二次世界大戦中は、連合国軍のためにアメリカに設置されたシークレット・サービスの訓練機関であるCAMP Xで訓練を受け、実際にロイヤル・ネイビーの諜報機関でスパイも勤めました。ですから、ボンドの異常なまでのグルメぶりを含めて、小説の内容は多かれ少なかれ彼の実体験やそこで得た知識に基づいているわけです。 次回作がフレミングのボンド小説第一作目の「カジノ・ロワイヤル」に決定したことは、私の望む「原点回帰」を暗示しているのかもしれません。監督のマーチン・キャンベルもインタビューで、「新007はこれまでよりも、もう少しダークな内容になるだろう」と語っていました。しかも、「ガジェット(爆弾になる腕時計や、潜水艦になるスポーツカーなど)は減って、個性が増す」んだそうです。 ボンドとセックスした女性を5分後に意味もなく殺さなくても、残酷なボンド像を描くことは十分可能だと思います。それに、原作では、ボンドだって女性にちょっと本気になっているように見える瞬間もあるんですね。それが、(スパイとしてのプロ意識なのか、彼の人生の価値観の中で女性の占める優先度が低いからなのかは分かりませんが)スイッチを切り替えるようにスパッと感情を切り捨てることができる。でも、その直前、ほんの零コンマ数秒センチメンタルになって躊躇しているような感じもするのです。その辺はショーン・コネリーの作品でも表現されてなかったように思います。 ピアース・ブロスナンが自立した現代の女性と対等に協力して敵を倒すという新世代のボンドを演じ、女性に対する過去の借り(?!)を全て清算して「きれいな身体」となった今、再び敵に対しても女性に対しても残酷でクールなボンドが、60年代の初代ボンドの頃とは違った表現で描かれることを期待します。 ダニエル・クレイグは、ドイツやロシア軍の拷問役を演じてもOKなくらいの、ちょっと爬虫類系も入った残酷フェースなので、その辺は上手く演じられるのではないかな。ただ、原作でもボンドは髪も肌の色もダークであるという設定で、よく黒豹にも例えられていました。ブロンドのダニエル・クレイグはそういう意味で、視覚的ハンデがあるわけなので、それをどう乗り越えるか・・・ですね。 いずれにせよ、原作「カジノ・ロワイヤル」のエンディングは、爆発して炎上する敵のクルーザーを横目にタグボートでボンドとボンドガールがキスを交わす・・・なんてもんじゃありませんから。少なくともハリウッド映画にありがちな、いわゆるハッピーエンディングではない。それだけでも期待する価値があるかもしれません。 ちなみに、私のボンド映画デビューはロジャー・ムーア版でした(笑)。ショーン・コネリーの作品は大人になってからTVやビデオで観ました。ちょっと男尊女卑な内容ではあるけれど、やっぱり彼の出演作が今のところ最高であることは誰もが認めるところですね。歴代のボンド役の俳優は以下の通り。ご参考にどうぞ。 1962-71 - Sean Connery 1969 - George Lazenby 1973-85 - Roger Moore 1987-89 - Timothy Dalton 1995-2002 - Pierce Brosnan
by babelbabe
| 2005-10-19 10:36
| 社会・時事
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