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2006年 02月 21日
風が吹けば桶屋が儲かる・・・って皆さんはどう訳しますか?
"When a gail blows, bucket makers will thrive." なんて直訳しても全く意味をなさないことは承知の通り。意訳するしかないですね。 慣用句には慣用句で・・・ということで、こちらなどが適切かもしれません。 “Bliss often falls into the hands of an unexpected person.” 「幸福はしばしば思いがけない人の手に落ちてくる」 そもそも、この「風が吹けば・・・」のフル・バージョンと本当の意味をご存知の方は意外と少ないのでは?!恥ずかしながら、私も知りませんでした。 手元の「高橋書店 ポケット版ことわざ新辞典」の解説によると・・・ 「一つの事件が予想もできないような結末を招くこと。見込みの無いことを当てにするたとえ。」だそうで、「大風が吹くと砂埃が舞って目に入り、失明する人が増える。失明した人は三味線をひいてかどづけをするので三味線の需要が増える。その材料となる猫の皮が必要となり猫が殺される。すると大敵のいなくなった鼠が増え、食物の入った桶をかじる。こうして桶の注文が増えて桶屋が儲かるという落語による。」とのこと。 ことわざも、パーティーの雑談など、「解説」する時間が十分ある場合には、あえて該当する西洋のことわざを当てはめるより、直訳した上でエピソードを紹介したほうが喜ばれることもありますが・・・この場合に限っては、「失明した人が三味線を・・・」、「材料となる猫の皮が・・・」など、外国人にとってはツッコミどころ満載なので、深みにはまりたくなかったら踏み込まないほうが無難かもしれません(笑)。 さて、前置きが長くなりましたが、来年2007年の夏から、イギリスでも"enclosed public spaces"(「屋内の公共の場所」)で全面禁煙となることが決定しました。2月14日にイギリスの下院にて実施された自由投票で、384票対184票という圧倒的多数を得ての決定です。ちなみに、この全面喫煙禁止、英語ではtotal smoking ban、あるいは、blanket smoking banと言います。 今回の投票の焦点は、この"enclosed public spaces"に何を含めるかでした。 内閣では当初、労働党の選挙のマニフェストに沿って、禁煙の対象を「食事を出すパブ」に限定することを提唱していましたが、労働党内の議員の多くが、禁煙を一部の施設にのみ導入することで、利用者や従業員の健康において不平等が生じることを懸念したため、自由投票で決定することになったのです。 今回の決定によって、お酒しか出さないパブはもちろんのこと、プライベートな会員制クラブも対象になりました。個人の家、ホテルの部屋、刑務所などはこれに含まれないようですが・・・ お隣のアイルランドでは、一足先の2004年の3月末より、同様の制度が施行されています。アイルランドに住んでいる人に聞く限り、当初は「それでも吸う人がいるんじゃないか」「それを取り締まる警官や、注意するパブの店員との間に衝突があるんじゃないか」など、心配する声もあったようですが、意外とすんなり導入が進んだようです。ただ、一説によると、タバコ休憩(?!)でパブの外にでたホタル族(しかも酔っ払い)同士、これまでになかった接触の機会が生まれたせいか、パブの外でのケンカの件数が増えた・・・という話も。イギリスではどうなることでしょう・・・。 さて、そのアイルランドでは、全面禁煙になってからというもの、屋外用ヒーターが飛ぶように売れているといいます。この屋外用ヒーター、日本ではオープンカフェなどでたまに見かけるものですが、patio heaterと呼ばれています。(patioは、中庭やテラスと言う意味。)屋内のスペースでタバコが吸えないので、この写真のように、パブの外にpatio heaterをびっしり配置して喫煙コーナーを設けているわけです。 また、とっくの昔に全面禁煙を実施しているカリフォルニア州にある、州知事シュワルツネッガーの所有するレストランシャッチ・オン・メインでは、「毎月第一月曜は”シガー・ナイト”」なんてやってます(笑)。ウェブサイトの説明によれば、レストランの中庭にバーがあって、ガンガンにヒーターが効かせてあり、シガー吸いたい放題みたいです。ちなみに、シュワはかなりのシガーマニアだそうです。 このレストラン、シガー・ナイトには、オーナーのシュワがフラッと立ち寄ることもあるらしいので、サンタモニカの観光スポットとして、マッスル・ビーチ(ボディ・ビルのメッカ。ムキムキマン鑑賞にもってこい!)と共にぜひ押さえておきたいですね!(・・・って両方とも行ったことないので、全く無責任なお薦めですが・・・。) それにしても、禁煙制度と屋外用ヒーター・・・、「風」と「桶屋」ほど飛躍はしていないものの、思いもかけない業界にチャンスが訪れるものです。 ちょっと、「風が吹けば・・・」とは意味が離れるかもしれませんが、こういうことわざもあります。 It's an ill wind that blows no good. どんな悪いことでも、そのおかげで恩恵を被る人がいる、みたいな意味です。あるいは、「誰も得しない最悪のことが起こった」という意味で使われることもあります。(前者は、「誰も得しないなんて、そんな風は悪い風だ。だから普通は誰かが得をするものだ。」と言う意味。後者は「それは、誰も得をしない悪い風だ。」という解釈。ちなみに、前者が本来の意味だそうです。) このほか、思いがけない幸運や利益のことをwindfall profitと言います。宝くじや株価の高騰で思いがけず得た利益に良く使われます。windfallとは、本来、風が吹いてきて木から落ちてきた果物のことだそうです。 ちなみに、「全面禁煙の導入は環境破壊につながる!」といって、反対している愛煙家がいるそうです。先のアイルランドにおけるpatio heaterのバカ売れ状態、イギリスでも間違いなく起こると思われますが、その結果、温室効果ガスの増加につながるというのが彼らの言い分です。環境破壊は皆が困ることなので、「儲かる」の逆ではありますが、その飛躍ぶりという点では、「風と桶屋」に匹敵するかも。
by babelbabe
| 2006-02-21 04:18
| 社会・時事
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